祭開催前日である今日の天気は雨。レインコートを準備し、今までになく大変な一日に
なることを覚悟して現場へ向かった。
昨日に引き続き、舞台城壁の竹付け、音響・照明台制作、舞台の仕上げの3グループに
分かれて作業に取り掛かった。
作業開始から一時間が経過した頃、その事件は一瞬にして起こった。突然、強烈な突風が久住山から吹き降ろしてきた。風の呻りに混じって方々から驚いたような声が上がり、
竹と単管がギシギシと悲鳴を上げた。風が過ぎ去り、辺りを見回すと、信じたくない光景が目に飛び込んできた。上手側の内屋台が丸ごと全てひっくり返っていたのである。男性陣が猛ダッシュで駆け集まり、総手で引き起こしはしたものの、あちこちがゆがみ、バランスが崩れてしまっていた。転倒の原因は足場をしっかり固定していなかったことと、寒冷紗を広げてしまっていたこと。風の逃げ場がなくなり、抵抗をモロに受けてしまったのである。
いつもの10:00休憩を返上して、急遽、屋台の復旧作業が始まった。が、被害はこれだけに留まらなかった。雨は止んだものの風は徐々にその強さを増し、台風のような勢いになってきた。屋台の屋根がバタバタと翻り、ヨシヅの下に敷いた波板が吹き飛び始めた。
さすがに危険と判断した水藤リーダーが不安定な波板を取り外すように指示を飛ばした。
一方舞台では、メインステージの下手側の扉に問題が生じ、矯正を余儀なくされた。
矯正と補強の繰り返しで作業はほとんど進まず、時計の針は12:00を回った。
昼過ぎに占部さんと八木さんが到着。さすがはプロいう急ピッチで機材がセットされていくが、さすがの悪天候に当初予定されていた舞台を使っての練習は不可能となり、メンバーに不安の色がよぎった。
夕方、プロデューサーがこの苦境を打開すべく応援に駆けつけ、矢継ぎ早に指示を下していく。波板は全て撤去、暗くなってからの作業は切り上げ、そして有難いことに強風に冷えた体を温めるべく、コーヒーとコートを用意してくれた。そんな中、無情にも下手側の屋台も転倒。メンバー一同愕然とした。
そんな訳で、今日の作業は波板を全て回収した時点で終了とし、明朝に外屋台の屋根を完成させ、明日一日かけて客席作りに取り組むこととなった。
屋台修復に掛かりっきりだったために気づかなかったが、去り際に会場を見渡すと、想像していたよりも遥かに雄大で美しい竹の王国がライトアップされていた。胸の奥が、熱く、熱くなった。
この日の夜、さすがのTAOも強風による寒さと連日の作業疲れを隠すことができず、早めに解散し、体をリセットすることになった。
|