NZランドの朝焼けは日本とちょっと違う気がした。青い空の中に赤というよりピンク色が広がっていたからである。
笛を吹こうと、HOTELから少し離れた公園にやって来たが、すぐ近くに大学があるので朝早くからでも人通りは多かった。吹き出してみると、いつもより乾いた音がした。手のひらで全体をゆっくりなでてやって、また吹き出す。音が少しずつ変わっていった。ここNZランドでも日本と同じように沢山の人に気持ちが届くようにと吹いてみた。
さあ、今日から始まるぞという実感が湧いてきた。
今日は、明日から行われるタウンホールでの公演の前にAoteaSuqueの広場の特設会場で15分間のデモンストレーションライブが行われた。AK05フェスティバルは、今年で2年目ということで、ステージで繰り広げられているライブやダンスに観客ののりは今一で少し寂しい気がした。
この広場の横のタウンホールに日本から送った太鼓が到着。40フィートと20フィートのコンテナに入った太鼓達と1ヵ月ぶりの対面となった。太鼓の状態が気になって、早速コンテナを勢いよく開けた。太鼓を収納していた木枠にカビが発生していて、とてもカビ臭い匂いがした。急いで太鼓たちを風通しの良い木陰に出してあげた。全員で3時間にも及ぶメンテが繰り返され、ようやく元の元気な太鼓へと蘇っていった。「今日からヨロシクネ!」と声をかけながら太鼓を磨いてやると、太鼓たちも喜んでいるような気がして嬉しくなった。
今日、私たちは野外の特設ステージでライブを行ったが、同時刻のタウンホールでは、インドのサギール・フセイン氏がコンサートをしていた。サギール・フセイン氏は、タブラーの名手で大変素晴らしい演奏を行うグループだ。
宿泊しているHOTELが同じだったので、すでにダンンサーの一人と亜里沙が会話を交わしていたらしい。
お互いの存在を知っていたらしく、今日は共に頑張りましょう!という内容だったそうだ。
さて、私たちの最初のステージが始まる。今日の演目は「循」「大太鼓」「大祭」「QUEEN」の4曲。
プロデューサーから私と亜里沙、牧の女性3人に第1曲目を任された。本番30分前となり、楽器のセッテイングと音チェックが始まった。太鼓の音が鳴り出すと次から次へと人が集まってきて、のりの悪かった観客まで柵を乗り越えそうな勢いで私たちを見ている。あっという間に会場は人・人・人でいっぱいになった。TAOの紹介が始まり、歓声が上がる。私と亜里沙と牧の3人は、目を合わせ、呼吸を一つに合わせた。
「今日からNZランドでの公演を思いっきり楽しめるように・・・」と願いを込めて目の前に広がる空に向かって太鼓を叩きだした。

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