演奏が終わると観衆が次々と立ち上がり、パノラマ上に広がる客席はまるで大海原の水面のようにゆったりと揺れ動いていた。体内から「涙」という熱い波が押し寄せ、気がつくと客席に向かって必死に手を振る自分の姿があった。
結成から14年の中でも最も感銘を受けた「台北アリーナ公演」は2日間で1万5000人を動員。
公演の翌日には、TAOの活躍を台湾各地のメディアが取り上げ、台湾ではしばらく熱狂的なTAO旋風が巻き起こった。その熱狂振りは、世界中の著名なアーティストを招聘している台北アリーナスタッフをも驚かせたほど。
一体何故、台湾で無名のTAOがここまで観衆に受け入れられたのか。
大掛かりなプロモーションによる集客であったことは間違いないが、初公演にしてこの熱狂的な反応はすぐには理解することが出来ずにいた…。
しかし、先日書道家の武田双雲さんとお話した際に、その疑問の解決につながる言葉を頂いた。
「平和に育った僕らの世代は、いつの間にかロボットのような目つきになってしまっていた。誰もが決められた箱の中から飛び出したいと思い悩んでいるところへ、TAOはストレートに勇気を与えてくれる。僕らは、現代人に感動を与えることを考えて生きましょう」
この言葉は、高度成長を遂げたほとんどの国に共通することではないだろうか。
自らの原点を見つめ、ただひたすらに深く強い一打の響きを探求する中で、文化の違いも言葉の軽々と乗り越えた、人と人が出会い魂が響きあう境地を隅々まで届けて生きたいと願い、2007年スタートさせたTAO最新舞台「打」
初のTAOドーム単独公演私たちは、確かな手応えと共に幕を閉じた。 |